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礼服を作って

大人になると、友だちがただの遊び仲間から仕事のパートナーになることがある。仕事を通して相手を見ると、その真面目さが言葉にせずとも伝わってくるので自然と関係も深まる。シュオはまさに友だちの力をたくさん借りて成り立っているブランドで、クラッチバッグや礼服は大学時代の仲間と共同制作をした。カクテルハットやハンカチを作ってくれたのも日頃から仲のいい作家たちだ。なかでも礼服を作ってくれているsuzuki takayukiとは1枚のワンピースを作るために何度も何度も話をしてきたので、彼の性格の不器用さや正直さを知りすぎて、だんだん家族のような親しみを抱くようになってきた。一度そうなると、彼の作る服が「モノ」に見えなくなってくる。1枚の服にこめられた物語まで見えてくるので、発表されたばかりのsuzuki takayukiの新作はどれもこれも素敵に感じられた。「作った人間の強い意思が宿っている」というと言い過ぎなのかもしれないけれど、そういう気持ちの入った服を身に着けることは、自分の長所をひとつ増やしてくれるように思う。彼の服に袖を通したとき、わたしは「この自分が好きだなぁ」と思った(恥ずかしながら!)。
クシャクシャの髪にボサボサ髭面のスズキ君の内面は、服作りへの愛情で毎日キラキラ輝いている。彼がシュオのために作ってくれたワンピースは飾り気のない実直なものだけど、着るとなんだか素敵になる。結婚式や葬儀の場で少しだけ張り詰めた気持ちを支えてくれる服だと信じている。できあがったワンピースを手渡されたとき、スズキ君のことを「友だちだなぁ」と感じた。こういう出来事が生きる力をくれるように思う。

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